施術家としての思い(第二話)- 誰かの希望であり続けたい –

私自身の苦い経験

当院を探してこられる方の7割以上は既にさまざまな治療法を試してそれでも一向に改善しないという方です。そういう方々のお話を伺っていると、恐らく、私以上に体のことや様々な治療法について詳しくご存じであるように思われます。しかしそういう方々が当院の施術を受けた後におっしゃることには一定の割合で幾つかの共通点があります。

・今までに受けたことがない施術である
・もっと早く来るべきだった
・やっと本物に出逢えた

自分で言うには大変おこがましい内容であることは重々承知しているつもりですが、しかし同時に、こうしたお客様の感想を通じて私自身が励まされてもきました。と言いますのも、ここに来るまでには紆余曲折があり、そして今も尚、もっと良い施術家になることを目指す上でのモチベーションになっているからです。

私は施術家として独立して今年で23年目になりますが、この間に辞めようと思ったことが何度かあり、遂には看板を下ろしたことが一度だけあります。それは2005年の事ですのでもう16年も前のことになるのかと感慨深いものがありますが、その時に最も信頼を置いていた師に連絡を入れて自分の境遇を伝えると師は会いに来ないかと提案して下さいました。そして二つ返事で師に会うために渡米しました。結局、その1ヵ月後には再び看板を掲げて治療院を再開したのですが、この時期の経験は私の人生において大きなターニングポイントであり、また、新たな出逢いと出発の原点になっています。

Dr. John thie and me

2005年5月 Dr.John Thieとカリフォルニア州マリブにて

 

辞めざるを得なくなった原因を端的に言ってしまえば、自分自身の技術不足です。業界における競争の激化も背景にはありますが、ある一定の技術に固執して自分の成長を止めてしまったことが一番の原因だと考えています。よく有りがちなことですが、一定のレベルに到達するとそれで充分満足して自分を過信してしまいがちです。そうなるともう成長は見込めないのですが、私はまんまとその罠にハマってしまい、挙句の果てには自信を喪失してしまったのです。

しかしそんな時でも励みになったのは真摯に向き合ってきたお客様から頂戴する感想でした。自分の施術でも喜んでくれる人があるのだと思うと力が湧いてきましたし、自分のやり方に間違いはないと自信を取り戻すことができました。そして一人でも多くの方のお役に立てるように現状に満足することなくもっと頑張ろうと思えたのでした。

本物とは何なのか?

症状を診ずに、人を診る

いま現在の私自身がお客様の望みに100%応えられるとは正直なところ思っておりません。せっかく当院を探し出してお声をかけて下さったにも拘らず失望させてしまった方もおられるからです。それは私自身の技術不足であることを正直に認めたいと思いますし、改善が見られなかったお客様には諦めずにご自分の治癒力を信じてより良い治療法に出会って頂きたいと願うばかりです。

私自身は自分の技術についてそれが本物だなどと思ったことはこれまで一度もありませんし、技術に本物と偽物があるなどと考えたことすらありませんでしたが、一定の割合でそう表現して下さるお客様がおられるのも事実です。それで改めて本物とは何なのかについて考えてみました。結論から申し上げますと、本物とは『症状を診ずに、人を診る』という事ではないかと思います。

ここで言う”症状”というのは「言語化できるもの」という意味を含んでいます。例えるならば頭痛、めまい、肩こりなどの病名が付いているものや、チクチクする、ジンジンする、フワフワするなどの表現が可能なものです。これらは言語化した瞬間に形が与えられて範囲が決まります。ですから頭痛がすると訴えれば頭痛のための処置がはじまります。逆に言えば、頭痛に関係のない処置は無視されます。肩が凝るから肩こりを治してほしいと訴えれば、普通一般的には肩周辺の処置が施されます。

これに対して”人”というのは「言語化できないもの」を象徴しています。ですから掴み処がなく決まった形がありません。百人の人がいれば百様の在り様があります。すべて違いますので決まった処置がありません。

このことを現代医療に当てはめてみると分かり易いと思いますが、現代医療では症状別に科が分かれます。もしくは系統別に分かれていると言ってもいいでしょう。神経系、泌尿器系、循環器系など人体を系統化して分科しているのが特徴です。それから、学習段階別に見てみても、医療者や施術家の学習の基礎段階では必ず”基本型”を学びます。こういう状況ではこういう手法を用いるという決まり事を最初に学ぶことで理解を深めます。これらは言わば「言語化できるもの」であり、誰もが理解できて習得しやすいようにシステム化されています。

型を破ることで生まれる

しかし「言語化できないもの」を扱うためには経験が必要になります。基礎を越えて、型を破らなければ行き着けない領域です。この領域に達する過程には幾つもの【例外】が存在し、【例外】をそのまま山積みにしておいては決して行き着けない領域にこそ本物と呼んでも差し支えのない領域があるのだと思います。

私が施術家として独立してからの約3年間は基礎との闘いだったと思います。専門学校で教わった基礎の技術では対処できない症例に対しては独学で技術をつけ足していましたが、それでも対処できない症例を【例外】として隅に追いやり、自分がもっている技術で対処できる範囲内から出ようとしませんでした。しかしその内に【例外】の方が多くなり、これではいけないと反省して自分のやり方を根本から変えるという選択をしました。

その時に出逢ったのがキネシオロジーという手法で、キネシオロジーは私に”人”とは何なのかという事を教えてくれました。それからというもの、私は【例外】として積み上げてきたものを一つひとつ拾い上げて新たな視点で見つめることをする様になりましたが、それは今までとは全く違うアプローチとなり、今までのやり方では到底信じられないような結果をもたらしてくれたのです。

いま現在私がおこなっている施術は、症状が発症した要因、お客様のコンディション、施術のタイミングによって内容が変化し、同じお客様に対してでもお客様の状態に応じて施術内容が変わることがあります。そのため施術メニューの中に特定の症状に対応したコースを設けておりません。お客様からしてみれば、ご自分が抱えておられる症状に効果があるかどうかが一番の関心事であろうかと思いますが、どんな症状であっても全体の機能との繋がりを診ずして真の改善は起こり得ないという信念と経験に基づいて根本的な体質改善を目指すのが私がおこなう施術となっております。

人体は、適切な環境さえ整えてあげることができれば、自ずと本来の能力を発揮してあるべき状態に戻ります。そのことを私達は自然治癒力などと呼んでいますが、私はお客様の内側に内在している自然治癒力と叡智を信頼し、その力が効果的に発揮されるようにお客様の環境(身体的環境、精神的環境、氣的環境)を整えることを自らの使命と位置付けております。

マタニティクラニアル施術の様子

マタニティクラニアル施術の様子

誰かの希望であり続ける

原因不明の症状で苦しんでいる方や、原因は分かっていても適切に対処できないで苦しんでいる方は沢山おられると思います。そのような方々が希望を捨て切れずに自分を救う治療法や治療家(施術家)を探し続けていることを私はこれまでの多くの出逢いから知っています。

そのような方々のお役に立てたこともありますが、そうでなかったこともあります。私自身の未熟さゆえにお役に立てなかったことに対して私は目をつぶることなく、その経験を【例外】にしてしまわずに、より一層の精進を積み重ねていきたいと思っております。そのために必要なものは私の身の周りにすでに存在しており、私はただそれらに目の向けようとしていなかっただけであることを知っています。面白いことには、それらは全て「基礎」の中にあるのだと思います。

基礎に捉われていては本物を見出すことはできないのに、本物は基礎を土台として存在しているというのは実に不思議なものだと思いますが、経験を通して基礎を見つめることでこれまでとは違うものが見えてくるのだと思います。

苦しみから解放されたいと願っておられる方々が希望を捨てることなく奇跡の出逢いを探し続けている限りは、いつか出逢うかも知れないその方の希望に応えられる施術家で在れるように、現状に甘んずることなく探求を怠らず、常に挑戦的で、且つ、謙虚な姿勢を失わないようにしたいと思っております。

おわりに

あるときお客様がこんな事をおっしゃいました。「自分より辛い人はたくさんいるんだから、自分はまだまだ幸せだと思わないとな」と。果たしてそうでしょうか?

そのお客様が抱えておられる苦しみは客観的にみても相当大変なものです。幾種類もの薬を投薬しており、周囲の多くの人から様々な助言を受けていろいろな事を試してこられました。打つ手立てが無しという状況でそれでも私を頼りにして下さっているのです。

私はこう申し上げました。ほんの小さな棘が指に一つ刺さっただけでも、その痛みのせいで何も手につかなくなるのが人と言うものです。その痛みに差はありませんよと。

お客様が例えご自分の治癒を信じられなくなったとしても私はお客様の自然治癒力を信じます。私はお客様の内側に内在している叡智は決して失われることなく存在し続けていることを知っておりますし、環境が適切に整いさえすれば固く締まっていたシコリがほころび、そこから新たな動きが起こることを知っております。

ご自分の症状を取り巻いている身体的、精神的、氣的環境がどうなっているのかを客観視することができれば、対処方法は自ずと見えてきます。指に刺さった棘は自然にはなかなか抜けないものでその痛みは自由を奪いますが、ピンセットと虫メガネを使って取り除いてやることができれば、立ちどころに痛みが取れて傷口は自然に回復してくれます。この基本はどんな症状であっても変わりはないと思います。

お客様の症状を取り巻いている身体的、精神的、氣的環境の状態を見極める目を常日頃から養うことは武道で言うところの【残心】の精神と同じだと思っております。【残心】とは心を途切らすことなく意識し続ける心の構えのことで、残心について、武道家としても有名な宇宙飛行士の金井宣茂さんは「作業を終えて終わりではなく、油断せず確認する。細やかな心配り」と説明されています。施術家である私は、いつ、どこで、何をしていても、誰かの希望に応えられる自分を保ち向上させるために、これからも身の回りで起きることを受け入れて真摯な態度で対処する自分で在りたいと思います。

>お客様の推薦文、感想もどうぞご覧下さい。

  • 命が救われた
  • 先生のまほう
  • 転々とした結果
  • 最後の駆け込み寺

E.O様(46歳)女性

私は先生に命を助けていただいたかのように思っています。心から感謝しています。本当にありがとうございます。同じような医者に見てもらっても異常なしと言われて追い返されてしまった方、原因不明の不調に悩んでいる方は、一度こちらの先生に診ていただいたら良いと思います。⇒続きはこちら

T.S様(47歳)女性

気分の方はとにかくすごい変化です。お変わりありすぎでございますっ(笑)皆様もぜひ先生のまほうにふれてくださいませ。⇒続きはこちら

T.O様(39歳)女性

キネシオロジーを使った施術は治す早道だと思います。⇒続きはこちら

Y.I様(54歳)女性

いつも親身になって話を聞いたり、生活習慣から適切なアドバイスをしてくださったり、心身ともに健康になれるような施術をしてくださいます。病院では解決できなかったような原因不明の不調に悩まれている方にはぜひ一度相談に行かれるといいと思います。とてもスッキリします!!⇒続きはこちら

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